榊原くじらの紙離滅裂

小説の下書きと設定。たまに愚痴。

条件

 唾を飲み込むと、喉がわずかに切っ先に触れる。
「私を殺すの?」
 サユリは訊ねた。
 男は頷く。
「なんで?」
「面白い」
 男は少し可笑しそうに、左手を口に当てた。
「なに?」
「助けて、だろう? 普通は」
「だって、助けてくれないでしょう」
 次々と斬殺されて血まみれになった部屋。
 ついさっきまで、人間だったモノがまるでゴミのように転がっている。
「なるほど、そうだな、なぜ俺たちが人を殺さなきゃ行けないか教えてくれたら、助けてやってもいいぞ」
「そんなこと、私が知るわけ無いわ」
「そうか、残念だな」

2006/07/28 | 20:39
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ジェネレーションギャップ

「何者かが、外から手引きしたとしか」
 レイラは忌々しげに爪を噛んだ。
 引退したとはいえ、ジグロを未だに慕う者は多い。だからこそ、スレイルに彼を捕らえたのだ。ここは、ジグロとは接点がない土地だ。
 それなのに,
「一体誰が」
 村の出入りはしっかりチェックを入れている。
 もっとも、逃亡されたのだから、しっかり、も怪しいモノだが、それでも、ここ数日村に訊ねてくる者はいなかった。
 そうすると、村人と言うことになる。
 だが、ここには英雄ジグロを知る人物は居ないはず。
「ビブロンだな」
 ぼそり、とユーリが言った。
「なに?」
「ビブロン。ジグロの友人だよ。この村で、ジグロと接点がある人物は彼しか居ない」
「でも、私が調べた限りじゃ、友人なんか……」
「まあ、二人は二十年も会ってなかったし。レイラの見落としだね」
「二十年?」
 レイラは眉をひそめる。
「そんなんで、よく友人なんて言えるわね。私なんかまだ17なんだから、二十年前の友人なんて前世よ。あり得ないわ」
「残念だね」
 ユーリは可笑しそうにそう言った。

2006/07/27 | 21:20
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単独犯

 病室にはいると、煉華は半身を起こして報告書とおぼしき紙束を読んでいた。
「よお、煉華。元気か?」
「そう見えるなら、お前は健康だな」
 せせら笑うかのように煉華は正貴にいう。
「笑ってもいいが、たしかお前は今回の事件は単独犯、そう言ったな。じゃあ、なぜ、俺らはそれぞれ別の場所で、同時刻に犯人の犯行現場に居合わせ犯人に襲われている」


2006/07/25 | 21:42
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猫(BlogPet)

いつ榊原くじらたちが、どこだい?」
「師匠は蒸発しました

「アタシの負けだ」
なんだい?」
「ホーエンハイムにまで手を出そうって言うのかい」
「いいえ、いつでも殺せる
それより、随分と厄介な、カンケーのないことだがね
まあ、いい
勝手にするがいいさ」
「そこで、いつでも殺せる
それを見つめる
と、房之介は思ったの♪


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「房之介」が書きました。


2006/07/24 | 11:58
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魔界

 雲の流れが速かった。
 灰色の重い雲。
 しかし、風は微風でどこか奇妙な印象がある。
「サルマ。大丈夫?」
 遅れて木の根の間から出てきたザイナフは心配するように言った。
 目の前で木のうろに吸い込まれたサルマを心配したが、思ったより平然としているので逆に拍子抜けしてしまう。
「大丈夫よ。雑草は死なない、って言うでしょう?」
「それは違う」
「それにしても、ここはどこ?」
「後から来た私に聞かないで」
 そういったものの、二人にはおおかた予想は付いている。
 周囲の木々には重さがなかった。地面も、空に浮かぶ雲にさえない。魔法で作られた幻影。しかも、それを発動させているのは個人ではない。この空間そのもの。
「へぇ、あんたらも吸い込まれたんだ」
 二人が出てきた木の上。
 不自然に横に伸びる枝の根元に一人の男が座っている。
「マカベ……」
 ザイナフが呟く。
「なんだよ。センセーだろ? もしくは、シショー、とか、マカベさまとか、マイダーリンとか」
 間違いない。
 かつて、ザイナフの魔術の師であり国内最強の魔術師と恐れられたマカベ。
「なんで、貴女がここに」
 サルマが訊ねる。
「オイラも君らと一緒。怪異が続くから、ちょっと見てきてくれって協会からね。まったく、それにしても、魔界ってのは変なとこだね」
「魔界……」
 やはり、とザイナフは内心頷く。
「魔界は生きてる。最初は信じられなかったけど、まさか本当に生き物とは思わなかったよ」
「ところで、ここはどの辺です?」
「中央の中央、魔王宮殿直轄区だよ」
「え゛。センセー、魔王に何かしたんですか?」
「いや、オイラは何もしてないから。多分、ゲートがここに開いて、その影響が出てるだけだよ」
「本当ですか?」
「師匠を疑うな……」
 マカベはそう言って、木から飛び降りる。
「交渉材料も揃ったし、魔王に会いに行くか?」
「はぁ」
「いくぞ、弟子」


2006/07/23 | 13:51
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ハンザキ

「眠そうだな……」
 火車は並んで歩く、頭一個分低いまひるを心配そうに見る。
「昨夜は少し楽しみすぎた」
 そういってさらに欠伸。
「ほどほどにしとけよ。ハンザキが今朝から半狂乱で局内を駆け回ってたぞ」
「それが彼女の仕事なんだからいいじゃないの」
 まひるは火車の言葉も意に介さず、大きな欠伸を繰り返す。
「そうはいってもな」
 火車は困ったように頭を掻く。
「それで、そっちの方はこれで終わりか?」
「多分な。あとの食い残しはウチか木遁が処理するだろう」
「あとは……、尚州の方は?」
「そっちは金遁のアマルガムが行ってる」
「なら、打ち損じることはないか。あー、誰か大事件起こさないかなー」
「お前……」
 火車はかける言葉無く頭を抱える。
「そんなに戦闘がしたいんだったらオセロしろよ」
「何、言ってるの。戦闘がしたいんじゃないわ、殺しがしたいの」
「やってらんねぇ」
 火車がそう言った瞬間。
 非常ベルのけたたましい音。
「なに、地震」
『違う』
 そう言ったのは二人のどちらでもない。
 テレパスによる遠隔会話。
「どうしたんです。ハロート」
 ハロートというのは忍刀のオーナーでクインビーの直属の部下。
『出奔だ』
 簡潔に、ハロが言う。
「誰が?」
 まひるは興奮気味に訊ねる。
 出奔者とあれば、例外なく殺害命令が出る。おそらく、まひるは一番乗りで後から集まってきた者達に死体を得意げに見せるつもりだろう
『ハンザキだ。水遁の』
「えっ……」
 さっき話題に上ったばかりのハンザキの言葉。
「なんで……」
『そんな事は知らない。とにかく、出口は封鎖した。すぐに急行しろ』
了解、と二人の声が重なる。
「それにしても、ハンザキ。いったい何を……」
 火車が唇を噛む間、まひるは自分の風火輪を履く。
「火車は得物は?」
「俺はいい。用意はいいな」
 二人は走り出した。
「ハンザキさん」
 火車は恐る恐る声をかけた。
 血に染まった通路の中、動かない数人の警備員の中でその女は顔を上げた。
「火車、胡蝶。何か用?」
 そう言って振り向いた彼女の顔はわずかに笑っているように見える。
「反逆、そう判断していいですね」
 まひるは訊ねる。
「見逃して」
「却下。だって、そんなことしたら貴女を殺せないじゃない」
「おい、まひる……」
 身を乗り出したまひるを火車は制した。
「どういう、事です。姐さん」
「火車、悪いわね」
 そう言った瞬間、ハンザキの姿が視界から消える。
「――!」
 半歩だった。
 わずか半歩の距離にハンザキの姿。
「火車」
 まひるが叫んだ瞬間。ハンザキが消える。
 咄嗟にまひるは正面に蹴りを飛ばした。だが、足は宙をかく。
「反応が遅いのよ」
 ハンザキの声。
 ハッとして、まひるは振り返ろうとする。だが、すぐさま背中にしびれるような激痛が走る。
「ぐあッ」
 地面に伏すまひる。
「三下ゴシックが粋がって、本物に手出しするんじゃないの」
 背中でハンザキの声を受け止める。
 三下、そう言われて反論する力がまひるには残っていない。それに、情報収集が専門の水遁とはいえ、ハンザキはゴシックだ。普段は温厚な淑女を装っていても、一皮剥けば血に飢えた野獣の本性が現われる。
「さて、火車。次はあんただよ」
 ハンザキは火車に微笑む。
 恐ろしい笑みだった。捕食者が餌を目の前に歓んでいる。
「いや、俺はいい」
 火車は両手をあげ、テレポートのブロックを解除する。
「懸命だね」
 ハンザキはそう言うとテレポートで消えた。
「火車……。お前」
 まひるが頭だけあげて火車を見た。
「にらむな。俺だって命は惜しい。ハンザキの始末は火遁が指揮する、お前らも来るか」
「当たり前だ」
「上々。すぐに医者を呼んできてやる。それまで、大人しくそこで寝てろ」


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2006/07/22 | 18:12
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■登場人物■

榊原:ちょっとバカな高校二年生。モデルは榊原

鼠:喋るハムスター(ブルーサファイア)のメス。居候で、榊原の部屋に住んでいる。モデルは榊原のペット

◆◆◆

夏の雨は普通、湿度を高くして不快感をあおることしかしないのだが、おとといから降り続く雨は気温を下げ、川の水位を上げていた。

「降ってる……」
 鼠は窓枠に前肢を乗せて窓を見ていた。
 既に暗くなった外は、雨が降っていることぐらいしか分からない。
「明日学校休みかしらね?」
 鼠には心配そうに言う。
「いや、休みの方が嬉しい」
 風呂上がりの榊原は髪を拭いたバスタオルを鼠の上にかぶせた。
 鼠はそさくさとタオルから頭だけ出す。雨のせいで寒いから。
「学生なのに、そんなこと言ってていいの?」
「学生ってのは呑気なものなの。それより、家が浸水するかもしれない」
「え?」
「そこの十字路の用水路があふれて道路が水浸しになってるらしい。あそこにあった建設中の家も水に浸ってるって」
「ウソ……」
「いや、マジ。今夜が一番降るって言うし、大丈夫かな?」
「大丈夫って、明日も、明後日も降るんでしょう?」
 鼠は声を荒らげていった。
「うん。困ったね」
「困ったじゃないわよ」
「それより、困ったことがあるんだ」
「何よ」
 鼠は身構える。
「カバンに入れてたマリみてが濡れた」
「それ、3回目」
 鼠は額を抑えた。

2006/07/18 | 22:53
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「リファ……」
 そう呼ばれた猫は自信に満ちた笑みを浮かべ歩み寄ってくる。
「どうしたんだい。フェイ?」
「お久しぶりですね。先生」
 フェイは引きつった笑みで、猫に言葉を返す。
「マカベの莫迦は、どこだい?」
「師匠は蒸発しました。あなたの嫌いなグラムの魔術師は私だけです」
「そうかい。別にそう、身構えることはないさ。あんたみたいな、三下魔術師、いつでも殺せる。それより、随分と厄介なことになってるみたいじゃないかい。薔薇十字の奴らを敵に回したりして」
「恐縮です」
「ふん。アタシには関係ないことだがね。まあ、いい。勝手にするがいいさ」
「そこで、相談があります」
 猫はフェイを見つめる。
 目を見ているのだ。二人の双眸は激しくぶつかり合い、そして、リファが不意に逸らす。
「アタシの負けだ。なんだい?」
「ホーエンハイム。聞いたことがありますね」
「……無いよ」
 猫はわずかに目をそらした。
「否。知っていますね」
「あんたらには、カンケーのないことだよ。ローゼンを敵に回したにも飽きたらず、ホーエンハイムにまで手を出そうって言うのかい?」
「ていうことは、実在するのか」
 クラウスが呟く。それを聞いて猫は舌打ちする。
「鎌かけたのかい」
「いいえ、あなたの自爆です。私はただ、『聞いたことがあるか?』と言っただけです。是、か、否、で答えてくれてもよかったのです」
「是か否? つくづく、三下魔術師に口調が似てきたね」
「恐縮です」
「いいわ。もう。ホーエンハイムの居所を教えるから、早く消えとくれ」
「取引成立ですね」


2006/07/16 | 15:16
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らいと

 榊原でなくとも、バカはしてしまうことがある。
「イヤホンに書いてある、LRってどっちがどっちだか分からなくならない?」
 榊原はイヤホンを見ながらそう言った。
「いや、それはない」
「そうかな?」
 榊原は首をかしげながらイヤホンを耳にはめようとする。だが、その手が耳の近くで止まった。
「で、Lってどっち」
 おいおい、と俺は呆れ顔で榊原を見る。
 しかし、彼の顔は何処までも真剣だった。
「右だろ」
「光るな」
 榊原がツッコム
「Light、か……」

2006/07/10 | 21:30
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飛頭蛮

 首が伸びる。
「飛頭蛮」
 肩をかすめたそれを新田は驚愕しながら叫ぶ。
 振り向けば首はりりんに向かっている。
「霜乃っ!」
 新田が叫んだ頃には既に霜乃は首とりりんの間に回っている。
 霜乃は刀を首めがけて振り放つ。光源もないのに彼の刀が淡く青い光の軌跡を夜闇へ映し出す。
 首は右目をやられ、逃げるように胴体へ。
「新田さん」
「了解」
 新田は心得たとばかりに胴体に近づき斬撃を放つ。
 途端に身体が灰燼へ化す。
『おのれ』
 首は悲鳴のような声を上げ新田の右腕に噛みついた。うめき声を上げて、新田は刀を放す。
だが、首は力を緩めない。
「腕を噛みきるつもりか」
 霜乃は唇を噛んだ。そして、新田に駆け寄り首に斬りつける。
 黒い血しぶきを上げ、首は地面に落ちる。
「助かった」
 新田は右肩を回す。
「大丈夫ですか」
 りりんは心配そうに駆け寄る。
「大丈夫だ」
「大丈夫じゃないと思うよ」
 霜乃はそう言って無理矢理新田の袖をまくり上げる。
 筋肉質の二の腕に赤い歯形が現われる。
「痛みは?」
「ないな。噛みつかれた時は結構痛かったが……」
「末期ですね」
 そういって霜乃は腰の袋から薬湯をだす。
「傷にかけて、ほっとくと首が生えてきますよ」
「えっ」
 新田は驚き霜乃の薬湯を取り上げると急いで傷口にかける。
「つうか、何で飛頭蛮が」
「知りませんよ」
「とにかく一度、山を降りるか」
「賛成です」


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2006/07/10 | 21:13
隠形百鬼夜行コメント:0トラックバック:0

妖精王国(1)(BlogPet)

きのう、工作したかも。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「房之介」が書きました。


2006/07/10 | 12:19
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妖精王国(1)

「俺とお前はクエストだ。意味が分かるか?」
「運命共同体だろ」
 フェイは息巻く。
「ちがう。俺はアーサー、お前はニミュエ。アーサーはニミュエを殺せるが、ニミュエはアーサーに殺されない」
「私は殺さない」
「知っている。こんなフェアじゃない関係が成り立つのは俺がお前を信頼しているからだ」
「だからなんだ。私はお前を……」
「だが、俺はお前を信頼する。俺の命はお前が握っている」

◆◆◆用語◆◆◆
クエスト:
魔術師と騎士のペアで構成される特殊工作員。機動隊としてや、僻地への工作活動などに使われる。


アーサー(女性形:モーガン)
クエストで、騎士の方を指す言葉。
主に第一騎士団、その中でもエリートであり、プライドが低いものが選ばれる。
クラウスはフェイのアーサー。

マーリン(女性形:ニミュエ)
クエストで魔術師の方。
王宮魔術師の中でも上位魔術師『メイジ』の位を持つものが選ばれ、フェイのように『ルーン』が選ばれることはまず無い。
フェイはクラウスのニミュエ。


2006/07/09 | 10:46
ΑΠΟ ΜΗΧΑΝΗΣ ΘΕΟΣコメント:0トラックバック:0

東の武王 西の聖王

ジャンル:和風ファンタジー

あらすじ:
その国には王が二人いた。
東の武王と西の聖王。
武王は自らを『征夷大将軍』と称し東の地『江戸』に『幕府』を開く。
聖王は自らを『天皇』と称し、西の地『山戸』に『朝廷』を興す。
その国の住人は東西の王の二重支配に苦しんでいた……

そんなわけで、国家統一を目指す集団の話。

■江戸幕府
松平吉幸(まつだいら・よしゆき)
・江戸幕府五代将軍。

長谷川鳰(はせがわ・にお)
・老中。
・タカ派の最大派閥の長。

■山戸朝廷
天明仁(あめ・あきら)
・110代天皇。

藤原魚井(ふじわら・いおい)
・関白。

■庚申会
禮圓(らいえん)
・庚申会の『蛇の牙』。パートナーは結月。
・絢女という三鈷剣を操る。

結月(ゆうげつ)
・庚申会の『蝶の目』。パートナーは禮圓。
・禮圓の剣を管理、所持している。

2006/07/06 | 21:44
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