自殺志願者(その2)
「人間なんていつでも死ねるんだ。わざわざ、今日死ななくたって、明日、明後日でもいいだろう?」
くじら(BlogPet)
死者
深山映子は死者だ
正確には、これから死者になる。
信号はいい感じに、点滅する青から赤に変わる。タイミングよく、信号が青に変わったところへ大型のトラックが走ってくる。
ゆっくりと、映子は横断歩道を進む。
信号がちょうど青に変わったために、速度がゆるまなかったトラックは映子を避けることは出来ない。否、映子は避けさせたりはしない。
あっという間に、映子の身体は吹き飛ばされた。
一般的に、交通事故で人間がどの程度吹き飛ばされるのかは彼女は知らない。だが、彼女の目から見ても、映子の身体はずいぶんと飛ばされたように見えた。
しばらくして、数メートル進んだトラックから運転手が降りてくる。トラックの運転手というと、ランニングTシャツにタオルの鉢巻きの中年男かと思ったが、意外なことに若い好青年だった。
かれは、映子の死体に駆け寄り、生死を確認する。
無駄だ。
彼女は死んでいる。その証拠に、映子は今、肉体概念を失っている。
しばらくすると、警察や救急車が来て、救急車は映子の死体を持っていき、警察官達は人払いをはじめた。
「きみ。この中には入らないでくれないか?」
トラックの荷台に背持たれる映子に、警官の一人がそういう。
映子はいわゆる幽霊の状態だ。普通は見えないが、適性がある。
「すまない」
そういって、顔を上げた瞬間、一瞬でその警官の目が見開かれる。ムリもない、今まさにそこで死んでいる人物が目の前にいる
「……妹さんか、お姉さんかい?」
「本人だ」
氷点下の声色で映子は警官にそういうと、彼の腕を払いゆっくりとした歩調でその場を離れた。
肉体を再び手に入れるのは意外と骨が折れた。
廃マンションの一室を隠れ家に、持ち込んだ赤いソファに寝そべっているとコンクリートの階段を昇る、規則正しい音が聞こえる。
「深山映子の死亡を確認してきた」
扉を開けてまず仲川はそういうと、すぐ近くにあるコンビニではないロゴの入ったコンビニの袋を机に置いた。
これは、深山映子の家の近くにあるコンビニだと、彼女はしばらくして気がつく。
仲川は、その様子に軽く微笑し、中からとり五目のおむすびを出す。
「深山映子はこれが好きだという記憶がある。君も好きか?」
「好きだ」
エイコは微笑む仲川から、それを受け取り口に入れる。
「深山映子の死亡は確定か?」
おむすびを食べながら、エイコは訊ねる。
「ああ。今日が告別式だった。僕も、クラスメイトとして参加してきた」
「……」
深山映子は死亡した。
つまり、この世に深山映子は存在しない。
ならば、ここにいるエイコは誰か。
すなわち、だれでもない。
逆に言えば、だれでもいい。
深山映子は自らがだれでもなくなった時に、狼狽えるほど愚か者ではなかった。それは、彼女にも受け継がれている。
「便宜上、今まで君をエイコと呼んできた。だが、それは今まで公式に深山映子が死亡していなかったから、一部の名前の音が君に引き継がれていたに過ぎない。深山映子が公式に死亡したため、その名前の音も既に失効している。君は今後、何と呼ばれる?」
「エイコはダメなのか?」
「ダメだ。映子は死亡した」
続きを読む..
正確には、これから死者になる。
信号はいい感じに、点滅する青から赤に変わる。タイミングよく、信号が青に変わったところへ大型のトラックが走ってくる。
ゆっくりと、映子は横断歩道を進む。
信号がちょうど青に変わったために、速度がゆるまなかったトラックは映子を避けることは出来ない。否、映子は避けさせたりはしない。
あっという間に、映子の身体は吹き飛ばされた。
一般的に、交通事故で人間がどの程度吹き飛ばされるのかは彼女は知らない。だが、彼女の目から見ても、映子の身体はずいぶんと飛ばされたように見えた。
しばらくして、数メートル進んだトラックから運転手が降りてくる。トラックの運転手というと、ランニングTシャツにタオルの鉢巻きの中年男かと思ったが、意外なことに若い好青年だった。
かれは、映子の死体に駆け寄り、生死を確認する。
無駄だ。
彼女は死んでいる。その証拠に、映子は今、肉体概念を失っている。
しばらくすると、警察や救急車が来て、救急車は映子の死体を持っていき、警察官達は人払いをはじめた。
「きみ。この中には入らないでくれないか?」
トラックの荷台に背持たれる映子に、警官の一人がそういう。
映子はいわゆる幽霊の状態だ。普通は見えないが、適性がある。
「すまない」
そういって、顔を上げた瞬間、一瞬でその警官の目が見開かれる。ムリもない、今まさにそこで死んでいる人物が目の前にいる
「……妹さんか、お姉さんかい?」
「本人だ」
氷点下の声色で映子は警官にそういうと、彼の腕を払いゆっくりとした歩調でその場を離れた。
肉体を再び手に入れるのは意外と骨が折れた。
廃マンションの一室を隠れ家に、持ち込んだ赤いソファに寝そべっているとコンクリートの階段を昇る、規則正しい音が聞こえる。
「深山映子の死亡を確認してきた」
扉を開けてまず仲川はそういうと、すぐ近くにあるコンビニではないロゴの入ったコンビニの袋を机に置いた。
これは、深山映子の家の近くにあるコンビニだと、彼女はしばらくして気がつく。
仲川は、その様子に軽く微笑し、中からとり五目のおむすびを出す。
「深山映子はこれが好きだという記憶がある。君も好きか?」
「好きだ」
エイコは微笑む仲川から、それを受け取り口に入れる。
「深山映子の死亡は確定か?」
おむすびを食べながら、エイコは訊ねる。
「ああ。今日が告別式だった。僕も、クラスメイトとして参加してきた」
「……」
深山映子は死亡した。
つまり、この世に深山映子は存在しない。
ならば、ここにいるエイコは誰か。
すなわち、だれでもない。
逆に言えば、だれでもいい。
深山映子は自らがだれでもなくなった時に、狼狽えるほど愚か者ではなかった。それは、彼女にも受け継がれている。
「便宜上、今まで君をエイコと呼んできた。だが、それは今まで公式に深山映子が死亡していなかったから、一部の名前の音が君に引き継がれていたに過ぎない。深山映子が公式に死亡したため、その名前の音も既に失効している。君は今後、何と呼ばれる?」
「エイコはダメなのか?」
「ダメだ。映子は死亡した」
続きを読む..
鳩羽ネネ
鳩羽 音子(Otoko-Hatoba)
八鳥羽の末裔。
自称は「ねね」。正しい読みは「オンシ」だが、通称的に「おとこ」と呼ばれる。そのため、筆記では「ねね」「ネネ」を用いる。
課外活動部 小夜啼(ナイティンゲール)のメンバー。
本来は、恒路宮を守る守護天槍。飛城を持つため、沙弥房之助とは非常に関係が深い。もっとも、彼女の飛城は、元来飛城ではなく、舟城だった物を後に空にあげた物。そのため、高い石垣を持つ。
八鳥羽の末裔。
自称は「ねね」。正しい読みは「オンシ」だが、通称的に「おとこ」と呼ばれる。そのため、筆記では「ねね」「ネネ」を用いる。
課外活動部 小夜啼(ナイティンゲール)のメンバー。
本来は、恒路宮を守る守護天槍。飛城を持つため、沙弥房之助とは非常に関係が深い。もっとも、彼女の飛城は、元来飛城ではなく、舟城だった物を後に空にあげた物。そのため、高い石垣を持つ。
わりと、実話
「大丈夫ですよ。本当に酔った人は、自分で酔ったなんて言いませんから」
「ところで、お前は」
「ぜんじぇん、酔ってましぇん」
「ところで、お前は」
「ぜんじぇん、酔ってましぇん」
榊原(BlogPet)
女装少年に言わせたい台詞
Q、双子の兄って……
A「ウソに決まってるじゃん」
Q、声変わりとか……
A「ああ、地声は上の方なんだけどね」
Q、本名は?
A「違わないよ。男でも女でもいいような名前だったから。でも、双子の兄なのに、妹と名前が一緒だったらおかしいから変えてたけど?」
提案する
[状況説明]
同棲して五年。プロポーズの言葉がないことに苛立ったA子は、友人のC子が止めるのも聞かず、残業を終えて帰宅したB太郎に、自分の名前が入った婚姻届を突きつけた。
A「これに今すぐ名前を書くか、今すぐ私と別れるか好きな方を選んで!」
B「……書かない」
C「えっ、破局!」
B「君が名前を書け!」
続きを読む..
同棲して五年。プロポーズの言葉がないことに苛立ったA子は、友人のC子が止めるのも聞かず、残業を終えて帰宅したB太郎に、自分の名前が入った婚姻届を突きつけた。
A「これに今すぐ名前を書くか、今すぐ私と別れるか好きな方を選んで!」
B「……書かない」
C「えっ、破局!」
B「君が名前を書け!」
続きを読む..
トランプ
A「チェックメイト!」
B「ババ抜きにチャックメイトはありません」
A「だって、キングがクイーンに挟まれてるんだもん」
C「いや、それクイーンが二枚あるから。捨てようよ」
B「ババ抜きにチャックメイトはありません」
A「だって、キングがクイーンに挟まれてるんだもん」
C「いや、それクイーンが二枚あるから。捨てようよ」
富士原生命秘書
サンダーバード。
それが、諏訪部の銃の名だった。SW1911(ガバメント)のスライドを少しいじり、全体に装飾を施しただけの簡素なカスタム銃だが、
「銃の鑑賞? いい趣味ね」
その声に、ドキリとして慌てて諏訪部は銃を隠した。
「別に隠さなくてもいいんだけど?」
ゴスロリはそういって、ロッカーからレディースのパンツスーツを取り出し、着替えはじめる。
「入谷じゃなかったら、困るだろう?」
「ここは、私たちの専用だけど?」
「念には念を、だ」
諏訪部はそういい、銃をジャケットの下のホルスターに仕舞い扉に手をかける。
「あ、ちょっと待って」
と、入谷が声を上げる。
「社長は、今日の午後の会合でどちらか一人って言ってるけど、どうする?」
「オレは、パス。入谷、言ってくれねぇか?」
「分かった」
続きを読む..
それが、諏訪部の銃の名だった。SW1911(ガバメント)のスライドを少しいじり、全体に装飾を施しただけの簡素なカスタム銃だが、
「銃の鑑賞? いい趣味ね」
その声に、ドキリとして慌てて諏訪部は銃を隠した。
「別に隠さなくてもいいんだけど?」
ゴスロリはそういって、ロッカーからレディースのパンツスーツを取り出し、着替えはじめる。
「入谷じゃなかったら、困るだろう?」
「ここは、私たちの専用だけど?」
「念には念を、だ」
諏訪部はそういい、銃をジャケットの下のホルスターに仕舞い扉に手をかける。
「あ、ちょっと待って」
と、入谷が声を上げる。
「社長は、今日の午後の会合でどちらか一人って言ってるけど、どうする?」
「オレは、パス。入谷、言ってくれねぇか?」
「分かった」
続きを読む..
同性愛であることの言い訳
「何千何万という数のある心の歪みに対して、恋愛対象は男か女の二択しかないの。ただ、異性愛だからといって正常とは言い切れないし、同性愛だからといって彼らが総じて同程度異常とも言い切れないわ」
続きを読む..
続きを読む..
自殺するつもりだった(BlogPet)
富士原生命相互会社秘書
新宿駅の案内板の前にたった二人の女は、恐ろしく周囲の人目を引いていた。
一方は秋葉原にでもいそうな、所謂甘ロリと呼ばれるピンクのワンピース。一方は所謂CanCamのモデルのようなお姉系の女。
どちらも異常なほどの美人というわけでもなく、どちらも何らおかしいわけではない。ただ、この二人が同時にいるというそれだけで、そこはまるで別世界のように異様だった。
「かつて、新宿駅は立地の悪さから、平日でも利用者0人の日があったそうだ」
お姉系――諏訪部愛美はそういい、タバコを取り出し火をつける。
「それは迷った理由にはならないわ」
ロリータ――入谷はそういい、諏訪部の口からタバコを奪う。
すでに、時間にして30分ロス。
給料日前と言うことで、電車代をケチり普段は使わない私鉄を使ったのが運の尽き。人混みにもまれ、気がついたら見たこともない改札に出ていた。
もっとも、同様の理由で迷子のなっていた諏訪部と合流できたのは奇跡としかいいようがない。
一方は秋葉原にでもいそうな、所謂甘ロリと呼ばれるピンクのワンピース。一方は所謂CanCamのモデルのようなお姉系の女。
どちらも異常なほどの美人というわけでもなく、どちらも何らおかしいわけではない。ただ、この二人が同時にいるというそれだけで、そこはまるで別世界のように異様だった。
「かつて、新宿駅は立地の悪さから、平日でも利用者0人の日があったそうだ」
お姉系――諏訪部愛美はそういい、タバコを取り出し火をつける。
「それは迷った理由にはならないわ」
ロリータ――入谷はそういい、諏訪部の口からタバコを奪う。
すでに、時間にして30分ロス。
給料日前と言うことで、電車代をケチり普段は使わない私鉄を使ったのが運の尽き。人混みにもまれ、気がついたら見たこともない改札に出ていた。
もっとも、同様の理由で迷子のなっていた諏訪部と合流できたのは奇跡としかいいようがない。



